BEVI は、十分に成熟しまた確立した理論的かつ実証的研究にその根拠を置いています。これにはBEVIが評価する、心理学的概念モデルの総合的な研究も含まれます。このフレームワークはEquilintegration(EI)理論とEIセルフを統合したもので、EIモデルを構成しています。
Equilintegration理論またはEI理論は、さまざまな理論的、経験的、応用的視点から、「信条及び価値観、そして『世界観』が獲得され維持されるプロセス、それを変化させようとすると抵抗が生じる理由、修正の程度とその状況を説明」します(Shealy, 2004, p. 1075)。
EIセルフは、「中核的欲求の充足度」(愛情、所属など)と「形成的因子」(養育者、文化など)の相互作用が、発達の過程また一生をかけてこれらを内在化し、私たちの「自己」、他者また広い世界に対する「信条及び価値観」を生み出すのかを示しています。
EIモデルをより良く理解するための、EI Theoryの6つの原則を以下に示します。
- Etiological. 因果関係 私たちが有する信条・価値観は、私たちがこれらを有しているという理由のみをもって、正当又は優位であるわけではありません。むしろ、私たちが有する信条・価値観が、相対的に正当であるかまたは不当であるかは、(a)適応能力(遺伝的素因など)、(b)中核的欲求(愛情、帰属など)、(c)形成的因子(養育者、生活史など)、(d)現実に存在する不確実性(例えば、特定の時期また場所において影響を与える要素)の相互作用の集大成だからです。
- Mediational. 媒介性 信条・価値観は、個人的及び社会的レベルにおける行動の中心的媒介プロセスです。しかし、これらは「認識されている」場合もあり、また「認識されていない」場合(つまり潜在的または無意識の可能性)もあります。また、これらに必ずしも合理的または論理的な根拠があるとは限りません。
- Constitutive. 本質性 信条・価値観は、特定の時や場所を超越するものではないかもしれませんが、これらは世界観を構築する能力・欲求であり、「自己」の外的派生物だと言えます。したがって、その人の信条・価値観の獲得・形成の過程で起こった出来事の違いにより、結果として形成された信条・価値観の内容は異なるかもしれません。しかし、信条・価値観の獲得のプロセス(発達、情動、帰属などの)を決めるのは、「自己」の本質的な部分(形成的、規制的、文脈的、知覚的、経験的および統合的な側面)です。[信条・価値観は、長い時間をかけて実質化され、個人の人生、背景となる文化及び特有の時代精神により支配されるものであって、それが特定の時や場所を超越するかどうかはわかりません。信条・価値観は、特定の時や場所と関連しているのかもしれませんが、これらは世界観-自分の周りの世界をどうとらえるのか-を構築する能力・欲求であり、「自己」の外的派生物だと言えます。したがって、その人の信条・価値観の獲得・形成の過程で起こった出来事の違いにより、結果として形成された信条・価値観の内容は異なるかもしれません。しかし、信条・価値観の獲得プロセス(発達、情動、帰属などの)を決めるのは、「自己」の本質的な部分です。]
- Explicative. 解説的 信条・価値観に関するステイトメントは、人生における重要な経験また出来事に関する十分な情報と相関させることにより、
(a)個性または「自己」についての仮説的な構造また体系に対する多くの情報、及び
(b)様々な場面や状況のもとで、重要な問題や現象への比較的容易な介入点〔教育・留学プログラムの内容・時期・期間等〕を示唆してくれます。 - Resistant. 抵抗 信条・価値観は変化しうるものであり、実際に変化しますが、容易に修正されるものではありません。信条・価値観は(a)中核的欲求(愛情、帰属など)、(b)媒介プロセス(取得、選択)、(c)外的不確実性(強める要素)の相互作用の集大成であり、人格や「自己」の中に(最終的には生理学的なレベルで)体系化されるものだからです。
- Transformational. 変容 私たちは、安定・均衡への欲求と、発達・成長のために避けられない内的圧力・外的圧力との間のバランスを取ろうとします。そのため、信条・価値観を変化させるということは、自己の根本的な欲求を知り、信条・価値観との整合性を再構成すること、すなわち自分自信の構造を変化させることを意味します(逆もまた然りです)。自分自身の構造が最終的にどのように変化するのかを理解するこのプロセスは、「自己」、他者また広い世界についての信条・価値観の付随的な内容との関係で、いかにすれば自身の欲求がより満たされるかについての、情動的かつ常に意識的とは限らない検討を必然的に含みます。最終的には、信条・価値観が「変化」するのか否か、またその程度は、「7つの要素」(期間の長さ、環境の差異、プログラムの奥行き、対象者の理解度、プログラムのデザイン、実施態様、事後プログラム)に拠ります。